大学時代に佐藤雅彦さんの講義を受講しまくっていた私としては、
行かなければならないと思っていた「佐藤雅彦ディレクション “これも自分と認めざるをえない”展」に
何とか最終日ですが、行ってまいりました。

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2時間待ちと言われましたが1時間くらいで入れたので
一通り全て"見る"ことはできました。
が、体験することがメインの展示なので、実際は半分、
楽しんだ感じです。

入り口で身長、体重などの情報を入れると
3つの展示で楽しめるのですが、時間がないということで飛ばし、
他の方がやっているのを見ることにしました。

全体を通して感じたことを最初にまとめます。

自分を数値化、記号化したセカイ


全体的に自分を表す要素を数値化して、
それを色々な表現に置き換えるというのがメインだと思います。
今回の展示の内容をWeb的にまとめると

 PUT → INSERT → SELECT → GET

という感じでしょうか。

この中で実際に面白かったのは「GET」の部分だけかな。
表現方法を表しかったのであれば、これで良いのかと思うのですが、
最近のインタラクティブなメディアなどに、
慣れている自分としては物足りない感じがしました。

もうすこし、PUTの部分も面白くしてもよいのかなぁと…。

自分にとって意識的なもの


上記に置いて、今回は自分という中の数値、記号化し、
それを選択、分類などを用いて表現しているものが多かったのですが、
自分の意識化で分かるものが多くて残念でした。

実際に、それを体験しなくても、仕組み、表現方法がわかり、
自分だったら、こんな感じになるだろうなと予想できてしまいました。

その中で、2展示だけ、予想ができないので面白かったものがあります。

覗かれ穴


これは、自分の視線の動きの内容を映像化し、
他の人も見れるというものです。
技術的にはアイトラッキングでしょうが、
自分の視線って意識的に見ていることって案外少なく、
何気なく見ていることが多いので、
どういう結果になるか知りたいなと思える作品でした。

そして、浜辺の水着姿だらけの画像を見るというものだったので、
これは卑怯だなとw
妻と観に行っていたので頑張って意識的に女性を外しましたw

自分が見た視線を後から追うことができるともっとよかったかなぁ。
あと、キレイな風景とか、ごちゃごちゃした町、あるいは
ウォーリーをさがせみたいな方がよかったなぁ。

金魚が先か、自分が先か


この展示はTwitterで検索したらよかったという
つぶやきがチラホラあったので楽しみにしておりました。

ちょい、ネタバレ。

これは、展示を見てから解説を見るようになっていて、
解説を見たところ「これ誘導されてないか?」と思ってしまいました。
タイトルから、内容がある程度予想できてしまい、
無意識的に体験するものが、意識的に体験されてしまいました。

1回目は分からなかったけれど、2回目みたら、
ああ、なるほどと分かるような展示だったらよかったなぁと。

次の表現方法「自分がしらない自分」


最近、Twitterを使った個人のプロファイリングみたいな
サービスを作りましたが、これが予想以上に面白かったのです。
意識的につぶやいているはずのTwitterのデータですが、
それを集約して解析してみることで、
自分の知らなかった無意識的な自分が知ることができたりします。

何となく次の面白い表現方法というのは
「自分が知らない自分」かなと、
ただし、結果が出たら納得出来るものでないといけないと思います。
そうしないと、ただの占いですからね。

ということで、今回の展示で一番面白かったのは「覗かれ穴」でした。

次の表現方法「自分と他者」


SNSが流行り、「自分と友人」がつながりました。
Twitterが流行り、「自分と他者」がつながりました。

今回の展示で面白かったのは、その場所にいた人の結果が
候補として出てきたりして見れたことです。

実際は、あまり関連性がないので、そんなに面白くはないのですが、
思わぬ共通点とかがあったら、本当は面白いんだろうなぁと思います。

それは服装であったり、喋り方であったり、筆跡などでも良いと思います。

技術的なこと


今回の展示は、実際は実務的に使われている技術を、
表現としてつかってみたらというコンセプトだったのですが、
個人的にやって欲しいのは「解析」かなと思います。

それは、「自分と他者」でも良いですし、
「自分と過去の自分」でも良いと思います。
そこから、予想されるべき結果が面白いかなと。

例えば、「擬似マイノリティ・リポート」サービスを作ってみて、
あなたが犯罪を起こすかもしれない確率とか出したら面白そうだなぁと思います。

最後に


佐藤雅彦さんの授業を久々に聞きたいなぁと思いましたが、
芸大に移ってしまったのかなと思ったら、Wikipedia見たら
まだ、SFCでも教えているみたいですね。
どこかで行きたいなぁ。