昨年に引き続き2009年の文化庁メディア芸術祭に行ってきました。



平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭 フェスティバル情報 | 文化庁メディア芸術プラザ


前回の記事はこちら。


文化庁メディア芸術祭は実際に行って見るべし触るべし


昨年は「文化庁メディア芸術祭は実際に行って見るべし触るべし」というのをタイトルにしたのですが、

今回はそれだけでは足りない感じがしました。

という理由は以下より。


リアルタイムで参加すべき作品が多かった気がする


一番わかり易いのは「LOVE DISTANCE」ですね。


LOVE DISTANCE


今では「コンドーム」のPRキャンペーンで、

離れている男性と女性の距離が縮まるというコンセプトで云々という話なのですけれど、

これって、最初に「何」のPRか分からなくて、

最終的に男性と女性が出会うことで、初めて「コンドーム」だということが分かります。


当時は2人の距離を縮めるのだからケータイの通信会社だろうという予測が多かった気がします。

まぁ、実際、キャンペーンが長すぎて、2人が出会うときには忘れてしまっていたのですが…。


ということで、「LOVE DISTANCE」は当時、リアルタイムで参加もしていないと完成しない作品だったと思います。


あとは、ゲーム部門で言えば「ドラクエ9」もそうですね。

「ゲーム」としての面白さだけでなく、「すれ違い通信」による秋葉原にできた

「リアルルイーダの酒場」であり、メタルキングしか出ない「まさゆき」の地図であったり、

毎週行われる「配信クエスト」であったりと、

「ゲーム」という枠だけでなく、その当時に、みんながやっていたからこそ

ブームメントが起きたというのがあります。


サマーウォーズ、東のエデンもライブっぽいイベントしてましたよね。


今後は、作品だけが残るのではなく、

その作品によって、何が引き起こされたのか、

時間軸ととともに語られる作品が増えて行くのではないでしょうか。


派生する作品


今回、映像作品で「日々の音色」という映像がありました。

実は丁度、1週間くらい前に、以下の映像を見ていました。



D


これ自体がパクリだということは知っており、元映像を見ていなかったのですが、

まさか、メディア芸術祭で、元映像に出会うとは思いませんでした。

2009年中に、この元映像ができ、それが派生して消費される、このスピードに感動してしまいました。


元映像はこちら。


D


これができるのも、元映像自体のコンセプトとして、誰でも取れるYouTube的な低画質映像を

つなぎあわせて作品にできるという部分があるからだと思います。


そして正直、素人の方がつくった作品の方が感動してしまった訳なのですが、

何故かなーと思ったのも、一つ一つのコマの映像に愛があるからだったり、

映像全体にストーリーができているからかもしれませんね。

あと、メイキング映像も含めて、コンテンツになっている気がします。


見る人が参加する


今回、Twitterの施策で、みんなで共通のハッシュタグを使用したり、

専用のiPhoneアプリを起動した上で、作品を見ることができました。

見る人が参加したり、参加している人同士でコミュニケーションできるのは非常に面白かった。


確か、去年も自分は勝手にTwitterにつぶやいていたり、

Google EarthとTwitterを連動させたアプリとかが展示されていた気がします。

今回は、それを公でやった感じですね。


ひとつ残念な点としては、昨年は大丈夫であった撮影が今年は禁止されていたこと、

Twitterと写真て非常にあっていると思うし、セカイカメラなども今年はあっただろうし、

TwitCastingなどTwitter上でダダ漏れがあった可能性もあるしと、

やってみたら面白そうなことはいっぱいありますね。


実際、Twitterを見ていたら、一番話題になっていたのが「撮影禁止」だったように思われます。


全体を見て


今回、作品数が大分減った気がする。

というよりも、昨年が充実しすぎた感じもあります。

展示して触る系が少なくなった感じで、これなら、Web上でもっと紹介してもよいのではないかなと思います。


知り合いの展示が少なかったのが残念。


マンガ2冊も読んでしまい、時間がなくなってしまった…。

「それでも町は廻っている」は面白かった。


無料、有料という議論がTwitterでされておりましたが、

私は、無料で良い気がします。

誰でも気軽に入れるというところに、文化、メディアに触れ合える機会が増えると思うからです。

一方、コンテンツって、そもそも有料だし、育てるためにはお金が必要と言うことも忘れないように、

一部、有料であっても良い気がします。

ということで、私は、今年もパンフレット1200円を買いました。

昨年より200円値上がっているのですが、分厚くもなっています。


ということで、作品は少なかったけれど、色々と勉強になりました。

来年も楽しみにしております。